寒冷な地域でケーブルを束ねる際には、注意しなければならないことがあります。
それは塩害に他なりません。ケーブルを束ねるのに現在広く使われているのが結束バンドと呼ばれるものです。ナイロンでできている細長いバンドで、一方の先端にヘッドが付いており、もう片方の尖っている方をそのヘッド部分に通してやるだけで簡単に結束できてしまう優れものです。基本的に1回結束すると外せないのですが、最近は再利用できるようなタイプのものも売られています。この結束バンドはケーブルを結束するのにたいへん便利なものですが、塩害には気をつけければいけません。
塩害というのは、ナイロンに塩がくっついて劣化させてしまう現象です。ナイロンに塩がくっつくと化学反応で劣化していってしまい、そのまま放置しておくと破断してしまいかねません。では、なぜ寒冷地で塩害が起こるのでしょうか。それは、寒冷地で使われるある化学物質が原因です。それは道路の凍結などを防ぐために使われる融雪剤や凍結防止剤に他なりません。
これらの薬剤の主成分は塩化カルシウムであり、これは塩害を引き起こす原因になるものです。豪雪地帯など盛んに凍結防止剤が散布される場所では、通常のナイロン製の結束バンドを使うのは避けた方が無難でしょう。使うなら、耐塩害性能のあるナイロンでつくられている結束バンドを使うべきです。また、バンドを劣化させる原因には、紫外線や熱・温度などもあるので、それらもしっかりと考慮して選びたいものです。