ケーブルは電線とは異なり銅線などの導体の周りを絶縁物で覆った上で、シースで被覆した二重の構造になっていて、耐久性が高められています。
電線には外周のシースの被覆がありませんので、雨や風や紫外線に長期間さらされると被覆だけでなく絶縁部も劣化がしてしまうので、絶縁不良や短絡や地絡を引き起こします。このことから電気の技術基準では電線を直接配線することは認められていません。電線を配線するには電線管に入線しなければなりません。それ以外の施工方法はできませんが、分電盤やプルボックスなどの内部配線では施工ができます。
しかしながら複数の線を内部に収納すると、絡まるだけでなく加熱したりして火災の発生が懸念されるうえに、竣工後の維持管理上も問題があります。そこで、盤内部の配線は結束バンドで縛る施工方法がとられます。結束バンドで縛ることのできる線の本数には上限が設けられています。
電路に電流が流れるとジュール熱は発生し、火災が起こることがあるため、それを防ぐ目的で技術基準では本数制限をしています。結束本数の上限にならなくても、太い配線を数多く縛ることは結束バンドの許容耐重量を超えてしまうかもしれませんので、仕様を確認して超えることのないようにすべきです。施工したらその後はそのままでいいわけではなく、定期的に施工状況を確認して不具合を見つけた場合は適宜修理をすることで、長きにわたって使用することが可能になります。